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【書評】デジタル・ファシズム 堤 未果

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いつものコンビニ。「合計で850円になります」

ペイペイのQRコードを見せて、2秒で支払い完了。めちゃくちゃ便利さを実感する自分。

現金払いをしている人を見ると、「時代遅れだな~」と毎回思うときがある。

でも、本書「デジタル・ファシズム」を読んでいくうちに、ペイペイ支払いした自分に問いたくなった。

「個人情報大丈夫か?」「このシステムで得をしている人、損をしている人がいる」・・・

無知である。

本書には、多くの取材をもとにデジタル社会の現実が書かれている。

デジタル社会に対しての正しい答えは書いていない。

1人1人がデジタル社会を知り、「問うことの価値」を考えてほしいと著者は思っていると感じました。

 

【書評】デジタル・ファシズム 堤 未果

2021年8月に発売され、話題になっている堤 未果氏「デジタル・ファシズム」。

2021年(令和3年)9月1日に「デジタル庁」が設置された。

「デジタル庁設置法」や「デジタル社会形成基本法」など、合計63本もの法案を束ねた「デジタル改革関連法」が参議院本会議で可決された。

63本!?こんな多いとは知らず、内容は説明できないですよね・・・

日本初のデジタル庁には、大きな特徴が3つ(28頁より)

  1. 権限がとてつもなく大きいこと
  2. 巨額の予算がつくこと
  3. 民間企業とデジタル庁の間の「回転ドア」

デジタル庁からは今後目が離せないほど重要なポストのため、詳しくは本書を読むべきです。

気になるポイント

政府サービスにアマゾンを使う

国内企業を使わないのはなぜか。

アマゾンはCIA(米国中央情報局)やNSA(米国国家安全保障局)など、米国の謀報機関との関係が深い企業。

また個人情報などを管理するデータ設備を日本国内に置く要求は、2020年1月1日に発効した「日米デジタル貿易協定」によってできなくなっている。

これで政府が情報を守るとは思えない。

自分自身が覚えておきたい言葉

  • リブラ
  • 信用スコア
  • ID2020計画
  • スーパーシティ
  • GIGAスクール構想
  • グレート・リセット
  • 荒川区の学校図書館活性化計画
  • 世界最大の米系コンサルティング会社アクセンチュア

本の概要紹介

ページ数 285ページ
読了に必要な時間 2時間
著者プロフィール 堤 未果氏

国際ジャーナリスト。東京生まれ。ニューヨーク州立大学国際関係論学科卒、ニューヨーク市立大学大学院国際関係論学科修士号。国連、米野村證券などを経て現職。

米国の政治、経済、医療、福祉、教育、エネルギー、農政など、徹底した現場取材と公文書分析により調査報道を続ける。TV、ラジオ、新聞などメディア出演多数。2006年『報道が教えてくれないアメリカ弱者革命』(海鳴社)で黒田清・日本ジャーナリスト会議新人賞を受賞。2008年『ルポ 貧国大国アメリカ』(岩波書店)で中央公論新書大賞、翌年には日本エッセイストクラブ賞を受賞。多数の著作は海外でも翻訳されている。その他著作に『社会の真実の見つけかた』(岩波ジュニア新書)、『沈みゆく大国アメリカ』(集英社新書)、『政府は必ず嘘をつく』(角川新書)、『日本が売られる』(幻冬舎新書)他多数。

定価 本体968円(税込み)
出版社 NHK出版新書

ワイドナショーの裏に隠された政治ニュース

当時と安倍晋三総理大臣に数々の便宜を図ったといわれる黒川弘務検事長の定年延長を合法化する「検察庁法改正案」の裏に、「改正国家戦略特区法(スーパーシティ法)」成立した。

「紀州のドン・ファン元妻逮捕」の裏に、「RCEP協定」が決まる。RCEPとは、日本と中国・韓国との初めての経済連携協定であり(その他ASEAN諸国など12カ国も参加)、工業品や農林水産品の関税削減に加え、データの国際的流通や知的財産の扱いなどで共通のルールを設ける、いわば「中国版TPP」。

田村正和さんの訃報の裏に、「改正特定商取引法」が決まる。悪質な詐欺商法から消費者を守るために、それまでは契約書を紙で渡すことが義務づけられていたが、改正法ではこれを、消費者側の同意があればデジタル化できるようにルールを変えた。

【書評】デジタル・ファシズム 堤 未果のまとめ

最後までお読みいただきありがとうございました。

政府への誠実さを感じれば、デジタル行政はいい方向に行くと思っています。

台湾のデジタル担当大臣のオードリー・タン氏の言葉を政府に送りたい。

「デジタル行政は、決して私たちの方向性を変えるわけではありません。政府も国民も同じ方向を向いていることを忘れないことが重要です」